双極性感情障害
従来は『躁うつ病』と呼ばれていました。うつ病と名前が似ていますが、似て非なる病気と考えた方が良いでしょう。
病気の状態(症状)は「躁」と「うつ」に分かれ、躁とうつが交互に繰り返します。
【躁(そう)の状態】
躁の状態にある時はテンションが上がり、些細なことで激しく怒ってしまうようになったり、気が大きくなって無謀なことをしたり、大金を浪費したり、周囲の人が驚くほど口数が多くなってマシンガントークを繰り広げたりします。
また、アイデアややりたいことが頭に次々と浮かんできて、気せわしくなったり、眠りたいと思わなくなったりする方もいます。
このような症状を来してしまうと人間関係が破綻してしまうこともあり、社会生活に大きく影響してしまう恐れがあるのですが、『本人は症状に気づけない』ことが多く、しかも上に述べたように気が大きくなってしまっていて人間関係のトラブルを気にせず放置してしまう場合があります。
【うつの状態】
うつの状態にある時は、うつ病と同様の症状(→こちら)を来すことが多いと言えます。
躁とうつの症状では、うつの状態を呈している期間の方が長く、最初はうつ病と診断されることが多くあります。
躁状態の程度は患者様により様々で、わかりやすいくらいに激しくテンションが上がる方は診断しやすいのですが、微妙にテンションが上がる程度の方もおりますので、診断に時間を要することが珍しくありません。
双極性感情障害は、自身の状態に自分で気づけないことが多いため、周囲の方から受診を勧められた際は、早めに医療機関へ相談した方が良いでしょう。
また、ご家族や周囲の方が、身近の人に上記のような症状(変化)に気づかれた場合は、受診を促すことも大切と言えます。